Stage Review 1999
Last up date : 2003.02.10
★５つが大満足＼(^^)／（☆は0.5点）
１月
『夏の夜の夢』（シアター・コクーン）（★）
３月
『CHICAGO』（新宿厚生年金会館）（★★★★）
アコースティック・アライヴ『気分はもう池田屋異聞』（下北沢駅前劇場）（★★）
ファントマ『黒いチューリップ』（下北沢駅前劇場）（★★★）４月
『The Iceman Cometh（氷人来たる）』（Brooks Atkinson Theatre in NY）
（★★★★★＋）
『Death of a salesman（セールスマンの死）』（Eugine O'neill Theatre in NY）
（★★★★★）
『You're a good man, Charlie Brown（君はいい人、チャーリー・ブラウン）』
（Ambassador Theatre in NY）
（★★★★）
『Cabaret（キャバレー）』(Studio 54 in NY)
当初MC役のアラン・カミングの出演は３月までと言われていたので泣き入っていたのですが(^_^; 、６月いっぱいまでになったのを知って観に行きました。良かったあ、間に合って(^^)。
楽しみだったアラン・カミングのMCは、想像以上に妖しかったです(^_^; 。しかし存在感ありますな。メイン・ストーリーが霞んでしまうほどの強烈なインパクト。素晴らしく魅力的な役者さんです。客席の間を通ったりもするのですが（客席はキャバレー“キット・カット・クラブ”という設定になっているので、１階はテーブル席で後ろにバーがあり、ステージを観ながら飲んだり食べたり出来る）、ステージそっちのけでカミングを追ってしまっている自分がいました。すぐ横を通ったのですが、近づくのが怖い気もしてしまう。「ちょっと触ってみたい〜(^^)」なんてとても思えなかった、、、。
ロン・リフキンもステキでした(^^)。カーテンコールで何か言うことを忘れてしまったアラン・カミングにすかさず突っ込み入れてたのが、すんごく可愛かったわ(^_^; 。（★★★★）５月
クチーナ・ミラノ『スター・フィールド・カフェ』（シアター・アプル）
平和堂ミラノさんがピスタチオを辞めて旗揚げしたクチーナ・ミラノ。ミラノさんらしさが所々に観られる作品です。ただ、演出の大塚さんと合っているかというと、ちょっと疑問が残る気がしました。過去の野球少年、少女だった時代の演出は流石に手慣れているけれど、現在のシーンをもっとクールに演出して欲しかったかなと。
役者さんはどの人もあて書きのようにハマっていたように思います。久々舞台復帰の菅野さんは“らしい”演技を見せてくれたし、久しぶりに平林さんが観られたのも嬉しかった(^^)。ただ、ラスト近くの菅野さんの「一番星みーっけっ」ってのは、、、この歳で観るのはなかなか辛かったっス(^_^; 。（★★）
ｔｐｔ『橋からの眺め』（ベニサン・ピット）
主役の堤慎一さんの芝居が凄い。戯曲のエディより随分若くて観る前は心配でしたが、一幕は少し違和感があったものの、途中からはそんなことまるで気にならなかった。この人も目で芝居できる人の一人かもしれないですね。98年にトニー賞リバイバル作品賞を獲っているこの作品。やはり戯曲の持っている力は凄いです。決して“良い人”には見えなかったエディに最後は感情移入している自分がいるんなんて思わなかった。勿論役者の力演あってのことだけれど。久世さんは良かったんだけど、もう一歩、後一歩かなあ。強さと弱さの対比をもう少し表現して欲しかったかも。若いカップルの２人はあと３、４歩(^_^; 。密入国してきた山本亨さんが迫力満点で良かった！（★★★）
６月
プリマス王立劇場『ハムレット』（東京グローブ座）
もっと崩してあるのかと思ったら、案外正統派の『ハムレット』でした。ただ舞台セットが面白い。縦長の板の上に幅の短いスライドする板を乗せてあるのですが、どちらの上でも芝居が出来るようになっている（ってちょっと分かりにくい説明ですね(^_^; ）。その下の板の真ん中に二つの穴が作ってあって（芝居をしている時は閉めている）、お風呂と墓になっているのです。これはなかなかのアイデアだと思う。
ポール・リース演じるハムレットは、正統派ハムレットにユーモアを混ぜたよう。これはちょっと新鮮かも。１幕目はどうもこっちがのれなくて苦しかったのだけれど、２幕目は生き生きしていて良かった。
オフィーリア映画版のケイト・ウィンスレットとちょっと似た役作り。でももっとはかなげ。
ホレーシオはステキだったけれど、もうちょっとハムレットと近しいと嬉しかったかも。少し平板に見えてしまった。大好きな役なんで、もっともっと輝いて欲しかったかなと(^_^; 。でも格好良くてちょっと惚れたですf^^;。（★★★）
『ＡＲＴ』（サンシャイン劇場）
素晴らしい！今年私が日本で観た芝居の中ではダントツで良かった！セット、役者、ホンとどれを取っても凄い出来。真っ白いセットに黒一色の衣装の役者。ああ、格好良すぎる(^_^; 。シンプルなセットを舞台に繰り広げられる大人の小粋な喧嘩(笑)。人の揚げ足とってみたり、深読みしてドツボにハマったり。いちいちウンウンと頷ける。
役者さんはどの人も素晴らしい芝居を見せてくれます。３人の距離感もきっちり見せてくれるし、キャラクターの違いもばっちり。短い芝居ながら、それぞれの役の個性もしっかり見える。熟練した芝居でした。
芝居が終わって「役代わりってのも観たかったね」と知り合いが言っていたのですが、それもありかなあと。（★★★★☆）
惑星ピスタチオ『破壊ランナー』（シアター・アプル）
名作です！この芝居をナマで観られただけで星一つあげられる！いつまでも残って欲しいホンの一つですね。役者の演技としてみると、色々思うところはあるけれど、それを振り払えるのがこのシャトナーさんの作品の凄いところだし、この劇団特有のスタイルだと思う。きっちりハマると凄いんだなと再確認。
腹筋さんはド迫力だし、大和さんは妖しいし、宇田さんはクール！そして可愛い(^_^; 。
でもずっと何人も客演を使わなくてはいけないのは苦しいと思うんで（勿論観ている方も）、何か考えて欲しいな。せめてあと３人は劇団員で芝居を観たい。（★★★☆）７月
『クローサー』（パルコ劇場）
ちょっと辛口の、大人向けの恋愛ドラマ。誰もが不器用で、残酷で、でも可愛くて、優しい。洒落た会話に真実がぽろぽろと覗けるところが面白かった。４人の登場人物が一度も舞台で一緒には会話をしないんですよね。男女の関係に絞って観せていく。それぞれのキャラクターにあまり深い思い入れは出来なかったけど、その分どの役も均等に観られたんでこういうのもたまにはいいな。
役者では、アリス役の宮本さんが最高にキュートで可愛かった(^^)。高橋ひとみも役に合っていたと思う。久しぶりの舞台で頑張ってた。男優陣は２人とも好演。でもダンはルパート・グレイブスで観たかったかも、、、（無茶言うなってば＞自分f^^;）。（★★★）
演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』（サンシャイン劇場）
キャラメルの幕末ものって大好きなのですごーく期待して観に行ったのですが、今回はちょっとノレなかったです(涙)。何故このストーリーで、時代を幕末にしなければならなかったのかがよく分からなかった。あまり意味ないと、、、(^_^; 。確かに時代を幕末に持ってくると、命の重さというものがすぐ側にあるんで迫力が出るとは思うのだけれど。命のやりとりしても説得力があるし。
でもどうも人物造形が薄いので、登場人物の行動があまりよく理解できなかったりして辛かった(T_T) 。彼らの行動に、何故そこまで、、、と思ってしまうのです。
役者さんは頑張ってるんだけど、役柄に深みがないんでちょっと可哀相な気がしますね。熱演しても空回りしてるように観えてしまう。でも上川さんはキャラメルにしては少々屈折した役を楽しげに演じてたし、ちょーっと丸くなっちゃった菅野さんf^^;は相変わらず可愛かった(^^)。岡田達也さんはハマリ役！でも全体的には、、、なのです(^_^; 。星二つでもいいんだけど、タイトルの安売りがあまりにスマートじゃなかった(--;; んで−１。（★）８月
『オレアナ』（パルコ劇場）
緊張感ある芝居。こういうの大好きなんだけど、席が後ろのほうだったからか、ちょっとセリフが聞きとりにくいところがあったのが残念。TVの撮りがあってマイクが何本か立ってたってのはあんまり関係ないですよね。セリフが絶対的に重要な芝居だと思うんで、もうちょっと大事にして欲しかったかも。初演の時はどうだったのかなあ。セクハラの定義が微妙なところなんで、キャロルの気持ちをちゃんと理解できていないと難しい芝居ですね。奥深いキャラクターのような気がします。教授の方が分かり易い。
そう思うと、この芝居はキャロル役を好きな役者がやってくれないと辛いのかもしれない……というのはちょっと極端かな。どうもキャロルの方が分が悪いような気がして。う〜ん、初演が観たかったなあ(T_T) 。賛否が分かれる芝居だと思うけれど、私は賛派かな。幕切れも結構好き。ちょっと怖いけど、、、。（★★★）
９月
ファントマ『戦闘鬼』（下北沢駅前劇場）（★★）
tpt『債鬼』（ベニサンピット）（★★★）10月
『リア王』（彩の国さいたま芸術劇場）（★★★☆）
10月
『ザ・マン・フー』（世田谷パブリックシアター）（★★★）
『ダンシング・アット・ルーナッサ』（パークタワーホール）（★★★☆）
『かもめ』（シアターコクーン）（★☆）
11月
『ウーマン・イン・ブラック』（パルコ劇場）（★★★☆）
惑星ピスタチオ『白血球ライダー2000』（シアターアプル）（★★☆）
1２月
『マクベス』（スペースゼロ）（★★★）
ファントマ『カラミティ・ジェーン』（シアター・モリエール）（★★☆）