REVIEW
★５つが大満足＼(^^)／
１月
−−３列目センター下手寄り−−
演出：ルドルフ・ジョーウォ
原作：Ｗ．シェイクスピア
出演：寺島しのぶ、小島聖、松岡俊介、佐々木蔵之介、ヤン・ペシェク 他
う〜む、どうもノレなかった…。好き嫌いがハッキリ分かれる演出かもしれないですね。最近の流行なのでしょうか？この戯曲をセクシーに見せるってのが（東京グローブ座もこんな演出だったとか）。しかしあんまり見せられると「クドイ」って思っちゃうんですよねえ。この辺、もうちょっと引き際も大切なのではと思ってしまいました。
そして、なんだか全然タイトルと違う芝居を観た感覚です。こういう夢は見たくないなあと。幻想的なセットと役者さんの芝居だけで、妖精の世界は充分美しさとエロスを見せられると思うんですが、日本人にはちょっと難しいのか・・・。いや、そんなことはないと思うんだけどな。
初めて見た寺島しのぶさん。いや、上手い人です。寺島さんが出てくるとそこに集中しちゃうんですよね。凄く求心力のある役者さんだと思います。
後はラストもどうも納得いかなかったかも。誰もが全然幸せそうじゃなかった。まあこういう解釈もあるのかと思えばそうですけど。
しかしカーテンコールで蔵之介さんのテレた笑顔を観た瞬間、全てを許しました(笑)。今年最初としては点数辛いかも。（★）
３月
−−５列目センター−−
演出：ウォルター・ボビー
作：フレッド・エッブ、ボブ・フォッシー、音楽：ジョン・カンダー
出演：ロキシー…ベル・キャラウェイ、ヴェルマ…デイドラ・グッドウィン
ビリー・フリン…エイドリアン・ズメット、エイモス…ブルース・ワイナント
マトロン"ママ"モートン…キャロル・ウッズ、メアリー・サンシャイン…J・ロバートソン
ミュージカルを観るのは本当に久しぶりだったのですが、もう思いっ切り歌と踊りを堪能しました(^^)。舞台はシンプルそのもの。楽団を舞台の中央に乗せて、役者の演技はその前のスペースだけで行われます。使うのは小道具のイスくらい。演技を終えた役者は完全に舞台袖に引っ込むのではなく、左右に設けたスペースのイスに座って自分の出番を待ちます。こういうのも面白い。小劇場ではよくあるけれど、ミュージカルではあまり無いのでは？
かなり前の方での観劇だったので、役者さんの息づかいまで聞こえてきて迫力満点！いやあ、人間の身体って鍛えるとあんな動きができるのかというようなパフォーマンスでした。もうアンサンブルが見事！フォッシーのセクシーで魅力溢れるダンスを余すところ無く見せて貰いました。ブロードウェイの底力を観たって気がします。
主人公ロキシー役のベル・キャラウェイがもの凄くキュートです。したたかさと可愛さが上手く同居していて、とっても魅力的なロキシー。これに反してもう一人の主役ヴェルマは一貫してクール。でも最後のロキシーとのダンス場面はもう少しハジけてもよかったのでは・・・。この場面は楽しみだったので、ヴェルマの無表情さがちょっと残念。元々こういう演出なのかしらん。
悪徳弁護士ビリー・フリン役のエイドリアン・ズメット。こういう役にしてはチト若いし格好良すぎか(^_^; 。もう少し腹黒さが見えると良かったかなあと。スマートさはよく見えたけど、嫌味にスマートだともっともっと良かったかも。
ロキシーの旦那エイモス役のブルース・ワイナント。非常に役得です(^^)。前半、存在感がないなあと思っていたのですが、それは後半への布石だったのですね。う〜ん、見事です。"ミスター・セロファン”がおかしくも泣かせる。
最近、「芝居に当たりがない(T_T) 」と嘆いていたのですが、久々に舞台にのめり込んだ作品に出会えました(^^)。（★★★★）
−−２列目上手−−
演出：緒高祐
作：緒高祐・酒井徹
出演：酒井徹、三井俊明、立花幸博、鈴木賢太郎、千葉いづみ 他幕末ものを多く手掛けているこの劇団。今回はいつもとはちょっと違ったアプローチからの幕末もので、アイデアが楽しい作品でした。かの池田屋で新選組に倒された人達の幽霊が、池田屋取り壊しを阻止しようとするという話し・・・。これを縦糸に、男の生き様とか心意気なんてものが横糸としてビシバシでてくる。この辺りは如何にも幕末芝居なんだけれど、そこはこの劇団。ユーモアとかギャグを全編に散りばめてて最後まで飽きさせません。
新選組の近藤さん、沖田さん、そして龍馬におりょうさん（いやあ、ハジけてるおりょうさんでした。男らしい…(^_^; ←おひ）。そしてちょっとツボだった桂さん(^^)。理論派で慎重で、如何にも桂さんっぽくて良いわあ。この方って、何となく憎めないのよねー。
今回は、天草四郎時貞なんていう飛び道具(笑)まで出てきて２時間たっぷり楽しみました(^^)。次回公演は『気分はもう沖田総司』。沖田さんが主役だ！（★★）
−−５列目上手−−
作・演出：伊藤えん魔
出演：美津乃あわ、浅野彰一、西村恵一、伊藤えん魔、藤田政幸 他１年に一度のお楽しみ。関西の劇団ファントマの東京公演。『ビリィ・ザ・キッド』から１年、長かった(T_T) 。でも待った甲斐のある楽しい作品です(^^)。小劇場で中世のフランスが舞台？？？と思っていたのですが、キッチリ作品に仕上げているのが凄い。こういうのって大劇場で大人数でというのしか観たことがなかったので新鮮でした。もちろん派手な群舞なんかは出来ないんだけれど、小空間で舞台との距離が短いので、逆に濃密だった気がします。
とはいえ、私は初日が開けて２日目に行ったので、セリフを噛む役者さん多かった(^_^; 。でもストーリーに力があるので、それ程気にならないんですよね。よく考えるとそれって凄い……。
主人公・黒いチューリップを演じる美津乃あわさん、むちゃくちゃ格好良い！！もう惚れるわ！ロクサーヌ役の時のおとぼけぶりも、相変わらず濃ゆくて(笑)可愛いです(^^)。その育ての親、カジモドを演じる浅野彰一さんがまた良い！ダーティー・ヒーローもステキだけど、こういう心根がストレートにカッコイイ役も良いです。演技に安定感があるのも好き(^^)。
えん魔さんはダルタニアン役なんですが、むっちゃ濃い(笑)。いつもだけど(爆)。西村さん演じるシラノ・ド・ベルジュラックとの信頼関係もいいです。そのシラノがまたカッコイイんだなあ。素知らぬふりして全部知ってるってのは役柄としては得な役だと思うけど、それを嫌味無く演じてます。
う〜ん、カッコイイってのしかない感想だな(^_^; 。でも好きなんだもの、こういう“えん魔ワールド”。
次回の東京公演はなんと９月！ああ、東京で年に２回公演してくれるなんて(T_T) ←感涙。それも『戦闘鬼』。98年夏に大阪の一心寺での恐怖物語の公演で、チラシだけもらって「観たい〜！」と叫んでいた作品なので嬉しいです。去年の大阪公演での評判も良かったようなので楽しみ！！（★★★）