でもリーホンの音楽は、そんな音響のマイナス面を感じさせない楽しさを十分に感じさせてくれる。ピアノを弾きながら歌った“流涙手心”なんて、１コーラス目はピアノだけで“Mary Says”のようなシンプルなアレンジだったのに、２コーラス目にバンドが入ってからは綺麗なジャズバラードになっていて、リーホンの歌声もジャズボーカルっぽくて凄くステキでした。こういうのを聴くと、流石にジャズをやってた人なんだなあとシミジミ思ってしまいます。だから戻っておいで＞リーホン(爆)。“Julia”もライブになるとCDで感じられる“粋”よりも、もっとドライブ感のある音を見せてくれる。ここでのリーホンはクラシックではなく、アイリッシュ・フィドルのような弾き方がとてもキュートでした。葉加瀬太郎並みとはいかなけれど（当たり前か…）、ノン・ビブラートの硬めのバイオリンの音が格好いいです。２コーラス目でバイオリンに歌わせたのも楽しい。エレキとの掛け合いもあったりして、弦楽器はピアノよりずっと歌える楽器なのでこういうのはライブらしくて楽しいです。

その前に聴かせてくれた『ニュー・シネマ・バラダイス』の愛のテーマのバイオリンソロも、情感のこもったステキな音でした。出だしは少し音が不安定なところがあって正直ドキドキしましたが(笑)、鳴らしていくうちにしなやかになっていって、特に高音パートで澄んだキレイな音を出していてちょっと感動でした。ビブラートも綺麗にかかっていて艶やかで良かったです。この曲の持つ哀感も十分に感じさせてくれるし、何よりリーホンの真っ直ぐな想いが心に響いてくる美しいバイオリンソロ。思いっきり贔屓目入ってる気がしますが(^^;; 。

アコースティックパートではそれこそ本当にアメリカのポップバンドを感じさせる明るいギターサウンド全開。ラフに歌いだすところがあまりにも格好よくてホレた(笑)。しかし“Follow Me”をここで歌うとは思わなかったわ。シンプルなアレンジでもやっぱりカッコいい曲だ。“W-H-Y”はこういうミニマムなバックに凄く合うキュートなカントリー調の曲で、歌ってるリーホンも凄く楽しそう。でも３曲では少ないわー。もっと歌って欲しい〜！という出し惜しみ感がまたいいのかもしれないけど(笑)、やっぱりイケズなリーホンさん(^^;; 。
そして私のハイライトはピアノを前にして歌った“LOVE LOVE LOVE”。軽快な４ビート、変拍子、インプロヴィゼーション、そこはかとなく感じさせる(笑)スウィング感……至福♪ステキすぎて、これを聴けただけで元とった気分だ(笑)。いや、マジで。この曲をライブバージョンで幾つか聴いたけれど、ピアノパートが常に違っているところもジャズらしくて凄く好き。しかしあのテンポでピアノ弾きながらよく歌えるなあ……と言うのはジャズメン(笑)ならではなんだろうけど。

色んな楽器を奏でてくれて、沢山の楽しい音を聴かせてくれたリーホンのライブは、本当に音楽が好きなんだなと感じさせてくれました。リーホンの音楽がこれからどこへ向かっていくのかは分からないけれど、沢山の冒険と遊び心でまた楽しい音を聴かせてくれると嬉しい。いつかミュージカルも観てみたいわ〜。オンよりもオフの劇場で掛かるような冒険心のあるミュージカルを。そしてまた日本に帰ってきてね！

長い長い無興倫比演唱會ツアー。曲の選択もDVDにもなっている2004年の台湾演唱會からマイナーチェンジされ、大陸ツアーと少し似たような選曲になってました。ジェイは５日の初日は少し緊張気味でしたが、６日は随分リラックスしているように見えました。日本語の喋りも２日目の方がバージョンアップしてたわ(^^;; 。大陸では歌っていたので期待していたのですが、DVDにはなかった「黒色幽黙」を歌ってくれたのは嬉しかった〜。しかしナマで歌うには難しい曲ですな。ジェイの楽曲の中で一番好きなので覚えようと思ったのですが、どこでブレスすればいいのかわからん曲だった(汗)。でもやっぱり良い曲だ〜(^^)。きっとどこかで歌うと噂されていた日本の童謡も「桃太郎」と「大きな古時計」を歌ってくれました。おばあちゃんを紹介するときのジェイの穏やかな表情が凄く印象的。「雙截棍」も格好良くて好き。CDで聴いていたときはそれ程ではなかったのですが、LIVEバージョンで聴いて、そしてナマで聴いてどんどん好きになりました。

リンチェイの新作映画『SPIRIT』の主題歌「霍元甲」を歌ってくれたのは嬉しい驚きでした。ナマ歌初公開？リンチェイの元気過ぎるコメントにもビックリでしたが(^^;; 。この応援コメントはスカパーの放送でも観られるかしらん。しかしこの曲はめちゃくちゃ格好良い！！これはライブにはぴったりの曲ですね。映画公開の時には是非上映前にMV流して欲しい！大画面で観たいわ。そしてアンコールで歌ってくれた名曲「七里香」はもう一緒に歌いましたよ。予習の甲斐なく歌詞は適当だったけど(爆)。２日目は３曲目に「髪如雪」を歌って中盤から後半に２曲程削ってましたが、スカパー対応(^^;; でしょうか。時間も２日目の方が短かった気がします。

新譜『１１月的蕭邦（１１月のショパン）』からの曲が少なかったのは意外でしたが（でもまだ通して１回しか聴いてないので、ある意味良かったのですが）、このアルバムと今年出るであろうアルバムを引っさげて、また日本に来て欲しいです。

いやー、久々に劇場で『タイタニック』状態になってしまいました(^^;; 。泣く気満々で行ったんですけどねえ。気合が入りすぎたのか、ウルウル状態にも全くなれませんでした(涙)。最大の要因は演出があざとかったことです。何なのでしょうか、あのわざとらしい拍手は…。「さあ、ここで泣いてください！」な演出も多すぎて、逆にすーっとさめていく自分がいました。加えて度々挟まれるダンスも演出と全く合っていなかったし、笑いの取り方も話の流れと違うところで作っているという感じがして興ざめでした。しかも所々で鉄柱を役者がガンガン鳴らすのも意味不明…。私の中では途中から、ただうるさいだけになってました(涙)。セットがどっしりと重みがあったので、もっとクールに演出してくれれば良かったのに。

蔵之介さんは主人公を誠実に抑え目に演じていて良かったです。久子とクラウディアの間で揺れる気持ちもよく出てました。久子を演じた高橋恵子さんも抑え目の演技で良かったけれど、ちょっと泣きすぎかなと思ってしまいました。もっとグッと堪えてくれたほうが、こちらに気持ちが伝わってきたような気がします。クラウディアを演じた斉藤由紀さんも同じく。演出なのかもしれませんが…(汗)。

演出と私の好みがあまり合わなかった芝居でしたが、カーテンコールでの蔵之介さんの笑顔にまたしても全てを許してしまう甘々な私がいたのでした(^^;;。愛は盲目…(爆)。★は役者に。