『プルーフ』

ウォルター・カー劇場

２００１．４．１８（水）１４：００

作：デヴィッド・オーバーン 演出：ダニエル・サリバン

キャスト： キャサリン...メアリー＝ルイーズ・パーカー ハル...ベン・シェンクマン クレア...ジョアンナ・デイ ロバート...ラリー・ブラッグマン

物語：数学者である父ロバートを亡くしたキャサリン。父を看病する為に数学の道を諦め看病していたが、晩年、精神を病んでいた父と自分も同じようになるのではないかという恐れを抱いている。そのキャサリンの元に父の教え子のハルと、ニューヨークで仕事をしている姉のクレアが相次いでやってくる。ハルはロバートの書斎で数学の画期的な証明をした数式の書いてあるノートを見つける。その証明は自分がやったのだというキャサリンだが。。。

今シーズンオープンした新作の中で最も評判の高い作品。数学の証明とその証明を記したノートの謎。そこに絡む親子、姉妹、男女の心の綾は、数学の証明のようには決して解けない複雑で難しい問題。この両方を絡めながら描く脚本が本当に上手い。しかし、、、う〜ん。評価されているほどグッとノレなかった自分にちょっとジレンマ。。。この非常に完成度の高い脚本を丁寧に描き上げた演出に、どうもこじんまりした印象を持ってしまったのです。何となく物足りないというか、もっとメリハリが欲しかったかなと。ダニエル・サリバン演出で去年観た『日陰者に照る月』と同じような印象を持ってしまいました。セットも似てるし…。

しかし役者はどの人もとても良い。中でもメアリー＝ルイーズ・ハーカーは、浮世離れした数学の天才で、世渡り下手で、内に篭ってしまいがちなキャサリンを、どこにでもいそうな普通の25歳の女の子として演じながら、浮遊感をも漂わせて上手いです。

数学大の苦手なので、観る前はドキドキしてたのですが(^^;; 、文系人間でもすんなり入れる作品。それでも数式とかセリフで出てくるらしいですが…。全然気がつかなかった(爆)。細かいセリフがイマイチ分からなくてちょっと消化不良気味だったので、今やってる翻訳劇でリベンジしてきます。寺島しのぶの芝居が楽しみ！（★★★）