『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

シアターコクーン　2/7（月）19:00〜　Ｉ列22番

作　：トム・ストッパード
翻訳：松岡和子
演出：鵜山仁

音楽：川崎絵都夫　／　美術：中越司　／　照明：沢田祐二　／　音響：高橋巌　／衣裳：八重田喜美子

＊キャスト＊
ローゼンクランツ：古田新太　／　ギルデンスターン：生瀬勝久　／　ハムレット：トロイ
オフィーリア：目黒光代　／　クローディアス：青山吉良　／　ガートルード：赤司まり子
ポローニアス：上田忠好　／悲劇役者達：水下きよし　山下禎啓　中脇樹人　横道毅　棚川寛子
座長：加納幸和

《物 語》

戯曲『ハムレット』では、本人達自身は理由が分からないままに（漠然と知っていたとは思うけれど）死んでしまうという、浮かばれないことこの上ないロズとギル。その２人に焦点を当てたストッパード60年代の傑作芝居。

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冒頭のコイン投げの場面から、ロズとギルを演じる２人がとにかく上手い！セリフの応酬も凄く面白いし、アドリブなのかと思っちゃう程自然です。この芝居は２人のセリフに観客がノッていかないと辛いものなのかも。何しろ全編２人のぼやきに終始しているのですから。

何故？何で？どーして？と何も分からないまま死んでいく２人のキャラクターは、おかしくもあり、哀れであり、滑稽です。でもその精神世界はすっごく複雑。“死”について考えていく辺りから、重さと軽さが表裏一体となって表現されていきます。この辺りの戯曲の持つ力は流石に凄い。

生瀬さんと古田さんは、その重さと軽さを自在に行き来していて浮游感さえ感じさせる。再々演ということもあって芝居がこなれてるのもあるけれど、やっぱり上手いなあと思う。座長の加納さんは、もっと女っ気を全面に出しちゃった方が良かったのにな。その方がらしさも出ると思うし。

『ハムレット』側ではハムレット役のトロイさんが良いアクセントになってたと思う。ちょっと浮き加減ではあったかもしれないけれど、ぎりぎりオッケーです(^^;; 。（★★★）