『ニジンスキー』

パルコ劇場　2/18（金）19:00〜　Ｄ列29番

作　：ウィリアム・ルース
翻訳：松岡和子
演出：ジョン・ティリンジャー

振付：ゲイリー・クリスト、堀　登　／　音楽：笠松泰洋　／　美術：島川とおる
照明：原田保　／　音響：高橋巌　／　衣裳：八重田貴美子

＊キャスト＊
ヴァーツラフ・ニジンスキー：市村正親　／　セルゲイ・ディアギレフ：岡田眞澄
ロモラ・ニジンスキー：久世星佳　／　若きニジンスキー：首藤康之（東京バレエ団）
フリッツ・ディアギレフ：宍戸勝　／　ヴィンズヴァンガー医師：段田安則

《物 語》

今世紀初頭に現れた伝説のバレエ・ダンサーのニジンスキー。後半生はその殆どを精神病院で過ごした狂気の天才。現実と狂気の狭間で過ごしたその人生を綴る。

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キャストの熱演とか首藤さんの素晴らしい冒頭のバレエとか、部分部分では凄く良かったのに、ストーリーに流れが感じられなかった気がします。何となくブチブチと切れてしまっているような感じ。特に暗転がもの凄く多いというわけではないのにどうしてそう感じてしまったのだろうと、自分でもあまりよく分からん(T_T) 。でもストーリーにぐぐぐぐっと入り込んでいこうとするものを何かで阻まれたって気がするのです。誰やねん、後ろで手を掴むのは、、、って感じ(^_^; 。

２時間強で表現するには、あまりにも、あまりにも多くの物がありすぎるニジンスキーの人生。その表面を走るのが精一杯かなと。人物描写等を掘り下げるともっともっと面白かったと思うのだけれど、考えられないくらい辛い物語になりそう。でもこれだけのキャラクターが揃っているのだから勿体ない、、、。

市村さんは、ニジンスキーの狂気の世界をそのアクの強さで押し切った感じ。上手いのだけれど好き嫌いはありそう。若きニジンスキーを演じる首藤さんは、甘ったるい声とぶっきらぼうなセリフ回しが功を奏して結構ハマってる。バレエシーンは流石な踊り。薔薇の精の両性具有的なのが良かったなあ。なんかウットリ。

久世さんのロモラは辛い役ですね。あまりお近づきにはなりたくない人(^^;; 。計算高さが怖いです。実際のロモラを誇張した人物造形かなあとは思いますけど。

この芝居、全編バレエとして表現すれば面白いかもしれない、、、と見終わった後思ったのでした。（★★）