◆サイドウェイ（アメリカ）◆
容姿はモサいが中身は子供の中年男２人のワインと人生を見つける旅行。じっくりと味わいたい映画です。人生をワインに例えたセリフが素敵。マヤの「ピークを過ぎたワインも味わい深い」というセリフが心に響く。ワインを飲みながら見たい映画。
役者と脚本が素晴らしい。ぽーりんことポール・ジアマッティはまだまだ子供の部分を残したマイルスを、本当にすぐ横に居そうなリアルな佇まいで見せる。結婚に失敗し、小説を書き上げるも出版の見込みのない冴えない中年国語教師。でもぽーりんがやるととってもチャーミングに映る。
ぽーりんと一緒に旅に出るのはトーマス・ヘイデン・チャーチ。こちらはマイルス以上に子供というか、本能だけで生きる男ジャック。結婚前の最後の楽しみだっ！と、この旅行で女を口説くことしか頭にない。それがとんでもない失敗をして、それを婚約者に知られたら捨てられる〜〜とぽーりんに泣きついてみたりする。とにかくやってることがハチャメチャなのに、何故か憎めない。そんな妙な味のあるジャックをトーマス・ヘイデン・チャーチは上手く引き出している。
まったく性格が違うように感じるマイルスとジャック。そこが妙にウマがあったりするのかな。マイルスは災難が一杯降りかかってそうだけど(^^;;
、でもこいつならしゃーねーかって感じかも。
マヤを上品に演じるヴァージニア・マドセン、ジャックと仲良くなる（色んな面でf^^;）ステファニーのサンドラ・オーも迫力あって印象的。
観終わって、ワイン好きならきっとワインを買って帰りたくなる。そんな私もピノ・ノワールを飲んでマイルス気分を味わいました。でも私はカベルネ・ソービニヨンが好きだ＞ぽーりん(^^;;
。
◆サウンド・オブ・サンダー（アメリカ）◆
前半のモタモタ感にどうなることかと思いましたが、中盤から後半に向かっては結構面白く見ました。クリーチャーとか、未来の車とか、細かい物体はあり得そうで良かったけれど、地下鉄は意外にレトロなのね。そういう設定なのかな。しかし前半のVFXはいただけない。街をバックにした映像は観るに耐えないものでした(涙)。今どきの香港映画でも、もう少ししっかり映像作ってるというのに…。ゴリラ恐竜作るのにお金使いすぎちゃったのかしら(^^;;
。しかしあのコウモリ状態は怖すぎでした(涙)。
エドワード・バーンズ目当てで見に行ったのですが、博士らしいといえばらしく見えるし、そう見えないと思えばそう見えない不思議なキャラであった(笑)
。まあ、いつもと変わらない演技と言えば変わらない演技なのですが(^^;;
。自分の映画を作るために外部出演(笑)してるようなものなので良いんですけどf^^;。そして未来が舞台でも、そこはやっぱりNYなのね♪そうかなあと思いつつ、最後にしっかり“ここはNYだ”と見せるところがニクイ。原作もそうなのかしらん。だから出演したのか？＞エディ(笑)。
◆ザ・ミッション／非情の掟（香港）◆
ジョニー・トウ監督の最高傑作と言われているのも納得の作品。８１分という短い映画ですが、緩急の付け方がとても上手いです。緊迫した中でフッと息を抜ける場面があるのも嬉しいし、そのバランスも絡め方も絶妙。加えて映像の迫力と語りが見事。不用なセリフ、不用な動きは全てカットしたかのような作品ですが、画面がセリフや役者の動き以上に語ってくれるのです。
一番ツボだったのはキャラクターの描き方。如何にも個人プレイをしそうな５人が、お互いの存在を徐々に感じ取っていく過程を丁寧に描いてくれます。それが銃撃戦の時にガッチリ表れてくるところなんてため息しか出ない上手い作り方。程よい距離感を保ったこの５人は、友情とも仲間とも同志ともつかないような、それでいてとても深い結びつきを感じさせます。血が通ったキャラクターに仕立て上げて、それぞれの個性をきっちり画面に反映させた演出、そしてそれを演じきる役者。キャラクターの上手い動かし方は観ててワクワクします(^^)。
濃ゆい５人が黒いスーツでビシッと決めてくる所なんて、なんともクールでスタイリッシュ！格好良すぎるくらい格好良い。しかもクセのある役者ばかりなんで、雰囲気が独特なのです。誰がどうなっても、何をやってもおかしくないような展開なので、それもラストまで緊迫感を持続させてる要因のような気がします。これは俳優冥利に尽きる映画でしょう。それぞれの役柄がキチンと描き込まれていて、なおかつ自分自身の色を付ける余裕も残してくれている。この辺りは脚本を作らずに（勿論大筋は監督の頭の中にあるのだろうけど）、現場で役者も交えて作り上げていったという部分が大きいのでしょう。役者が地に足のついた演技を見せてくれているので、その空気感が素晴らしいアンサンブル演技を醸し出しているのだと思います。
役者、特に主要な５人の俳優達はどの人もとても味のある芝居を見せてくれます。若さゆえという役を爽やかに演じたジャッキー・ロイ、寡黙な捉えどころのない男をユーモアと親しみを持って演じたラム・シュー、強さと優しさを同居させた演技をみせるロイ・チョン。そして渋い芝居をしてるのがアンソニー・ウォン。５人のリーダー的な役割を担うグァイを一匹狼風に演じながら、情も優しさも激しさも垣間見える。５人をまとめ上げる存在感とか求心力を感じさせるし、他の役との距離感の持ち方がやっぱり巧い。
まい・らぶり〜ン・ジャンユーさん(*^^*)は相変わらずの芝居を見せてくれますが、今回は結構手堅い演技。でも走り過ぎず、かといって消えない、自分の役の中でのバランスの取り方がとても上手い。しかも目に麗しい男前演技(*^^*)。ショッピングセンターで銃を構えてフレーム・インしてくる所の緊張感。そしてその後の両手で銃を構えてる姿なんて、溜め息ものの格好良さ(*^o^*)
。ここは瞬きしちゃ駄目(^^;; 。VCDでは必ずリプレイしちゃいます(^_^;;。しかも５回ほど(爆)。男前ジャンユーさんだけでなく、このショッピングセンターの４分程のシーンはとても格好良い演出。
不安定な音の進みが妙に耳に残るテーマ曲、そしていつものジョニー・トウとは違った印象をうけるラストも新鮮。
◆サルバドールの朝（スペイン）◆
フランコ独裁政権下。学生運動から反政府活動MILに参加したサルバドール。彼らは活動を維持する為に銀行強盗をしてその資金を集めている。警察のブラックリストに載ってしまったサルバドールらは、ある囮捜査で捕まってしまう。揉みあい、銃撃が入り乱れた中で、若い警察官が命を落とす。充分な捜査も調査もされないまま、責任を全て負わされ死刑を言い渡されるサルバドール。彼と家族、支援者たちの戦いが始まる。。。
映画を観終わって最初に突きつけられるのは、この物語の元になった出来事がほんの30年余り前の話しだという事実。スペイン内戦やフランコ独裁政権の時代の出来事は、現在の王政になってから徐々に国外に知られてきたということですが、遠い国の話しなのに近しい気分になるのはこの余りにも近い時代に起こったことだからかもしれない。
でも監督は出来る限り感情過多にならないよう、慎重に映画を作っている気がします。劇中サルバドールが語る「英雄には、殉教者にはなりたくない、ただここを出たい」というセリフをかみ締めるように撮っている。この抑えたトーンと色味をそぎ落とした映像が、作品に緊迫感を与えている気がします。この話しがどこまで事実に忠実に描いているかは分かりませんが、サルバドールはアナーキストで反政府活動家だけれど、何か突出しているものを持っているようにはみえない。“自由を求めて戦う闘士”という力強い雰囲気もカリスマもそれ程感じられない。けれどあの時代にいたからこそ何かをしたいと突き動かされて戦っている、そんな普通の青年。活動に大きな緊張感は感じられないし、甘い理想主義にもみえるかもしれない。でも泥臭く懸命なサルバドールの姿は、とても生き生きとして見える。
映画は前半サルバドールたちの反政府活動を描いて、後半は刑務所でのサルバドールの姿と恩赦を求めて戦う支援者の姿に重点を置いていきます。この後半のサルバドールは極限状態にいるはずなのに、とても静かで優しげに見えます。最初は疎ましく思っていた看守の1人が段々とサルバドールに関心を持っていき、バスケやチェス、何気ない会話を通じて心を通わせていくところは、サルバドールを演じるダニエル・ブリュールくんの持っている、誠実で穏やかで親しみやすい雰囲気を最大限に生かしていて説得力があります。実際のサルバドールは写真で見た限りでは、もっとやんちゃでチャーミングなラテンの男の子という感じでしたが、監督はスペイン人俳優ではなく、敢えてドイツとスペインのハーフのブリュールくんに演じさせたのは、この誠実な雰囲気を出して欲しかったのかなと思ってしまう。
そのブリュールくんは、時代に翻弄されたサルバドールという青年を抑えた演技で静かに、でも力強く演じきります。どの映画でも見せるブリュールくんのちょっとした表情の作り方がとても好きなのですが、今回も細やかに演技していて優しい目なのに寂しげで胸にグッと来ました。しかしこんなにスペイン語が堪能だと思わなかったわー。前に子供の頃は休みのたびにスペインに行っていたというのをどこかで読んだのですが、ネイティブとどの程度違うのかは分からないけれど、スペイン語圏俳優に混じって演技していても全然違和感なかった。今年のドイツ映画祭で上映された『僕の友達』を見逃したのが痛いわー。どこかでやってくれないかなあ。ユルゲン・フォーゲルも出てるのにー。
◆ジェシー・ジェームズの暗殺（アメリカ）◆
南北戦争前後に現れた実在のアウトロー、ジェシー・ジェームズ。銀行強盗や列車強盗を繰り返すが、「弱者を助け、強者を憎む」的なイメージを味方につけて大衆のヒーローとなっていた男。しかし数々の殺人にも手を染めていたため首に賞金がかかり、最後は仲間だった若いボブ（ロバート）・フォードに暗殺される。暗殺者ボブは背後から撃ったこともあり、世間から卑怯者、臆病者のレッテルを張られ、彼も背後から暗殺されることになる。ジェシーはボブに背後から撃たれ、ジェシーは裏切られたと思った仲間の１人をやはり背後から撃ち、ボブもまた最後は背後から撃たれる。臆病者、卑怯者なのはボブだけなのだろうか。。。
惜しい映画というのは色々あるけれど、この映画もそんな１本。良い映画になる要素は沢山あったと思うのです。それだけに勿体無い。まず映像が非常に素晴らしいです。構図がとても美しくて心地よくて、どの場面も写真として切り取っても１つの作品になるかのよう。しかも圧倒的なのに俳優の演技を邪魔しないのも素晴らしい。音楽も音響も派手にせずに、日常の音を丁寧に取り込んでいる。これだけ画面としての美しさがあるのに、物語の進め方を散漫にしてしまうのはどーしてなのだろうか…(汗)。良い場面も沢山あるのに、一つ一つのエピソードが綺麗に一本に繋がってこない。人物像もキャラ立ちしてそうで、していないもどかしさがある。
それでもこの映画を最後まで飽きずに観ていられたのは、ジェシーとボブを演じたブラッド・ピットとケイシー・アフレックの演技があったから。ブラピはこの難しい役をここまで上手く演じているとは正直思っていなかった。相変わらず眼が死んでるのだけど(泣笑)、この無表情で何を考えているのか分からないジェシーを演じるには、この死んでる眼が逆に効果的になっているという驚き(^^;;
。ジェシー・ジェームズを演じるにはややカリスマが足りない気がするけれど(汗)、人物表現を助ける程魅力的な映像によって、不気味な陽気さと凶器を併せ持つ不健康なジェシーを上手く演じている。12モンキーズの時よりずっと良かったと思う。
ボブの兄、チャーリーを演じるサム・ロックウェルも良い。小心者と言えば、ボブよりチャーリーの方が小心者なのだろう。その小者感を随所に感じさせる。ジェシーの兄を演じるサム・シェパードも短い出演場面ながら渋い演技を見せる。ブラピよりカリスマ性はこちらの方があったかも(笑)。ディックを演じたポール・シュナイダーも印象的な演技を残す。
でもこの映画で最も魅力を放っているのは、卑屈な雰囲気を漂わせながらも自己顕示欲が強く、頭がキレて、自尊心も強いロバート・フォードを終始繊細な演技で見せるケイシー・アフレック。彼の眼がいい。ジェシーに憧れているだけの前半は、自分が何者でもない自信のなさを見せる反面、強い自負心も感じさせ、それでもまだ少年のような眼をしているのに、中盤はジェシーに対する偏執的なまでの視線を見せる一方で、「自分も殺されるのかも…」という猜疑心とジェシーに近づきすぎて生まれた失望感からくる不安そうな瞳を見せる。そして暗殺前後に見せる光を失ったような焦燥感。心理描写が甘い脚本にも関わらず、この決して魅力的には見えない難しい役を、観ている方が感情移入できるところまで引き上げて持ってきた演技力は素晴らしいと思う。
しかし私がケイシー・アフレックに眼が釘付けだったのは、その演技力ではない(^^;;
。表情が微妙に、まい・らぶり〜・トビー（・スティーブンス＠エゲレス人）だったのだ(^^;;
。前半の鏡に映った自分の姿を見ている場面辺りでうっすら似てるなあと思いつつ、兄がベンなので「きっと気のせいに違いない！」と心に言い聞かせていたのですが（何故f^^;）、最後の表情（素晴らしい表情してた！）を見てやっぱり似てる〜と思ってしまいました…。ごめん＞トビー(爆)。
◆ジェネックス・コップ（香港）◆
やっぱり良いわあ、若いって(^^;; 。前回（映画祭）観たときには、いまいち人間関係が分かってなかったんだけど、今回はじっくり観られたんでようやく納得。実はン・ジャンユーさんの役がどの位置なのかがよく分からなかったのです（あんまり格好良くてボーっと観ていたわけではありません……多分^^;
）。
あの出だしからの疾走感は小気味いいし心地良いです。前にも書いたけど、脇役キャラまでしっかり描かれてるのがいいですね。演じる俳優さん達の個性と相まって、最後まできっちり印象に残るのが良いです(^^)。久々にツボにきた香港映画でした。
◆ジェネックス・コップ２（香港）◆
最終週の水曜日に行ったら一杯で入れず…。リベンジってことで最終日最終回に観に行きました。そしたら水田菜穂さんのトークショーがあってビックリ。しかしそこでこの映画にポール・ラッドが出てるってことを聞いて更にビックリ(^^;;
。全然知らなかった。こんなところで会うとは…。何となく見た目もハリウッド映画で観る爽やか好青年じゃなくて、香港っぽいのは気のせいだろうか(^^;;
。一本気で融通の利かないFBI捜査官をワイルドに演じてました。
１作目で主演したニコラスに替わって主演するのはエディソン・チャン。アクションもバッチリこなして格好いいし、笑顔がまた可愛いです。でもニコのように役には恵まれなかったかなあ。登場人物も多くてごちゃごちゃしてて、エディソンがあんまり目立たなかったかもしれない。もっと登場人物絞り込んだ方が良かったかも。同じようにスティーブンやサムも前作ほど活躍の場がなかった…。でも話しの持って行き方は上手いし、脇で出てくるキャラクターも魅力的。久しぶりに観たクリスティ・チョンは相変わらず可愛かった〜(^^)。力技な所もあるけど、観てる間中ググッと入り込める楽しい映画です。
◆ジェヴォーダンの獣（フランス）◆
ヴァンサンを目当てで気合い入れて観に行った『クリムゾン・リバー』で失敗したんで(^^;;
、今回はあんまり期待せずに観に行きました。だからかすっごい楽しめた(^_^;;。ストーリーはちょっと力技で、思わせぶりな人物を出しつつほっときっぱなしだったりするのですが、その辺はあんまり気にせず観ました。一部でブレンダン・フレーザーに似ていると言われている主人公のサミュエル・ル・ビアンが、途中からめちゃくちゃ強くなってて、なんでやねんって所もまた楽しい(^^;;
。
しかし映像が格好いいです。画面も綺麗で色使いも艶やかで鮮やか。娼婦の館とか退廃的だけど明るくていい。アクション場面のスローモーションも適度だし、カメラも寄りすぎてないからかなり見やすいです。ル・ビアンの二丁拳銃ならぬ二刀流もさまになってるし、マーク・ダカスコスも軽々しいアクションで格好いいです。役に深みがあればもっと良かったけど、でもあのくらい神秘的な方がいいのか。
そしてそしてヴァンサン・カッセル(*^^*)。怪しさ満点の前半から中盤はイマイチ印象薄くて、このまま終わってしまうのか(泣)とハラハラしましたが、後半怒濤の展開！いやー妖しくてめちゃくちゃ格好いいーーーーーー！！！漫画みたいなキャラを楽しげに演じてたかな。ル・ビアンとの対決は笑いをこらえながら観ました(^^;;
。楽しくハジけてるぞ＞ヴァンサン。こんなヴァンサンを見られただけで、もうオッケーだっ！嫁（ベルッチ）も流石に美しい。もっと出番欲しかったかも。
濃ゆいキャラの間で侯爵の息子を演じたジェレミー・レニエくんが、爽やかな印象。エミリエ・デュケンヌもふっくらほっぺが可愛いです。
でもちょっと長いかな。あと３０分ギュッと詰めた方が面白かったような気がする。特に前半、もっと畳みかけるように見せた方が良かったんじゃないかと。野を駆る馬の足をアップにして、しかもスローで撮ってたりにするから時間食うのかな(^^;;
。
◆シークレット・ウィンドウ（アメリカ）◆
どんなにヨレヨレでもボロボロでもやっぱりセクシーなジョニー・デップ♪しかし映画は微妙。もっと閉塞感のある演出だと緊迫感があって面白かったかもしれない。画面が明るすぎたような気もする。湖、森、木組みの家。舞台はとても良かったのに。それに加えて怪しいタトゥーロもいたのにf^^;。
◆シーズンチケット（イギリス）◆
甘くなく、でも辛すぎないラストが凄く好き(^^)。サッカーのシーズンチケットを買うために色んな手段（かなりむちゃしてる(^^;;
）を使ってお金を貯めるシェフィールドサポーターの２人組。観に行く前は２０歳前後の子の話しかと思ってたのですが、１５歳コンビでちょっとびっくり。大人ぶってるというより、自分を守らなきゃと虚勢張ってるようにみえて痛々しいです(T_T)
。厳しい…。
それでも２人の男の子の心の中には、まだまだ青い空が残ってそうとも思わせてくれるところに救いがあるかも。結構素朴っぽい子達なんだもの(^^)。シェフィールドのスター（というより元イングランド代表の熱血キャプテン(^^)）、アラン・シアラーを目の前にしたときの最初の表情が印象的。その後が凄いけど(^^;;
。将来フーリガンにならないでねってちょっと思っちゃうわ(^^;;
。プレミアにはこんなファンが沢山いるんだろうなあ。シェフィールド頑張って欲しいぞ。。。そんな私はリバプールファン(^^;;
。しかしシアラー、、、まさかカーステレオでセリーヌ聴いてないよね(爆）。
◆四大天王（香港）◆
東京国際映画祭にて。
香港の俳優、ダニエル・ウー、テレンス・イン、アンドリュー・リン、コンロイ・チャンによる“alive”というグループの結成からコンサートを行うまでの姿を追ったドキュメンタリー、、、と見せつつ、実は“alive”はこの映画の為に作られたユニットだったということが後になって判明。香港マスコミまで巻き込んだモック・ドクメンタリー。ダニエル・ウー初監督作品。
笑いを挟みながら、皮肉と批判を含んだ攻撃的なメッセージ性の強い作品。シュールな表現も多くて、笑いながらも怖いわーと思ったりする映画でした。最初にダニエルが“alive”というグループを始めて、CDは発売せずにネット配信だけすると聞いたときは不思議だなあと思っていたのですが、こういうオチだったとは想像もしませんでした。しかしこういう自分達を笑い飛ばして、その陰にチクッと皮肉を込めてという作品に仕上げているのだから、脚本も担当しているダニエル恐るべしだ。そこはかとなくイギリス映画の影響を感じさせるけど、ダニエルはアメリカのコメディーが好きで影響を受けたらしい。でもどこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのか字幕がついても全然全然分からなかった。ダニエル監督の思うツボだ(^^;;
。映画全編楽しかったけれど、ダンスレッスンとか衣装合わせのところはどの国の人が観ても笑えるところ。トニー・ホーとデビッド・リー、最高だ！！ローカル色も濃い作品なので冒険かもしれないけれど、日本公開してほしい。
◆シッピング・ニュース（アメリカ）◆
宣伝では "癒し"を連発しているけれど、そうして構えて観ることはこの映画にとって不幸なのではないかと思ってしまう。何かが起こりそうで起こらず、現実にありそうでなさそうな世界。荒涼として、決して住み良さそうには見えない島の風景も、この映画に独特の雰囲気を与えているのだと思う。気が弱く、何事にも自信なさそうにな主人公、心に傷を持つ叔母、過去のある未亡人、個性的な新聞社の面々、そしてその社長と勘当された息子。面白くなりそうな題材が沢山あるのに何も起きないことに、歯痒かったりしますが。。。デヴィッド・リンチが監督したら不思議な味わいを持つ楽しい映画になりそう(^^;;
。
沢山の興味深い要素がありながら、映画はとても静かに進み、そしてゆったりとした印象を持って終わります。観ている方が、こののんびりとした雰囲気を味わえないと辛い映画かもしれない。そう、ちょっと辛かったf^^;。ケイトの凄み、ジュディ・デンチさんの風格ある演技。ケヴィン・スペイシーは芝居しすぎな感が無くはないけれど、とても魅力的とは思えない男をヤな人にも良い人にも傾かずに地味〜に演じてみせたのが上手い。
◆ジャンヌ・ダルク（アメリカ）◆
全編リュック・ベッソンの作品だ！と思わせる映画(^^;;
。２時間半突っ走ったジャンヌ・ダルクです。思いっ切りジャンヌに集中して描いているので、むっちゃ濃ゆいです。でもミラ格好良い！あんなミラに「ふぉろ〜み〜！」と言われたらついてっちゃいますって！ミラの魅力で最後まで引っ張ったってのが大きかった気がする。
でも折角脇に面白いキャラクターを揃えているんだから、もっと使い切ってあげたかったなあ。ヴァンサン・カッセルのジルはカッチョイイし、のほほ〜んとした軽〜〜いシャルルのマルコヴィッチもらしくて流石に上手い。ダスティン・ホフマンのキャラクターは賛否あるんでしょうねえ。私はいない方がスッキリして良かったと思うんだけど、どーでしょ。
◆ジュラシックパークIII（アメリカ）◆
ストーリーはとてもシンプル。人間はとにかく逃げる、逃げる、逃げる。恐竜に対して何かアプローチするということは全然なくって逃げるのみ。すごい潔い映画かも。９０分という短い時間で描き切ったのもそんな印象が残ります。恐竜の出方とか役割とかが前２作と似てるのがちょっと残念だったけど（とはいえやっぱり何度もビクっとしてしまった(^^;;
）、翼竜のシーンは楽しかった。
誰が生き残るのか、、、分かるような分からないような渋い俳優を使ってるのが好き(^^)。マイケル・ジェター、エエ感じや(^^;;
。２作目よりはこっちの方が好き。でもやっぱり１作目よね。
◆純愛譜（韓国）◆
役所での仕事にも私生活にも身が入らず、無気力に毎日を過ごすウィン。楽しみは夜毎に覗くインターネットのサイト。ある日、役所の上にあるパン教室のアシスタントの赤毛のミアを見かけてほのかな恋心を抱くが、彼女にはまるで相手にされない。そんな時、ネット上で彼女にそっくりな少女が登場するサイトを見つけ、更にネットにハマりこんでいくウィン。
その彼女にそっくりな少女は、日本で予備校に通う彩。祖母の死と両親の不仲に心傷つき、いつしか祖母に聞いた祖父の最期「自ら息を止めて死んだ」を、日付変更線上で実行にうつそうと考えるようになる。今日死んだか明日死んだか分からないように…。その為の資金づくりがインターネットののぞき見サイトのバイトだった。ソウルと東京、出会うことのない二つの平行した物語がいつしか交錯し始める。
悪くない映画だと思うのです。消極的な言い方ですが。視点はとても面白いし、各々のキャラクター設定も結構いい。でも細かい部分が少しこなれていない感じがするのです。もう少し脚本を直す時間があればもっと面白いものになったんじゃないかなと。日常を淡々と進んでいくストーリー展開ですが、途中で飽きることが無かったのは不思議。大きな波があるわけではなくて、小さな出来事の積み重ねだけだけれど、ラストに向かっているんだなという一つの線があったからかもしれない。
ウィンを演じるのはイ・ジョンジェ。おたく青年が上手すぎてちょっと怖かった(^^;;
。全編に渡ってみせるボーっとした表情（無表情ではない）、ネットを覗いているときの楽しいんだかどうなのか分からない表情、そして憧れの赤毛の少女を見つめるときの憑かれたような視線(^^;;
。危なすぎる(^_^;;。トイレでのウィンは相当ヤバイです。こじんまりした（？）ストーカーf^^;。かなりお近づきになりたくない人なのですが、リアル感を見せながら非現実的な部分を漂わせるという、ある意味曖昧な演技なので、それ程憂鬱な感じを残さない不思議な印象。いいように解釈してる気もするけど(^_^;;。周りにこういう人がいるかというといないと思うけど、でもこんな感じの人って多分いるよね、、、という役作り。上手いけど、あんまり上手くてもチト困るかも(^_^;;。でもこういう汚れ役（とは言わないか？）もやるんですね。このチャレンジは大きいと思う。とはいえ、最初の脚本ではこれより強烈なキャラクターだったっていうんだから、それで役を引き受けるというのも凄いわ(^^;;
。
彩を演じるのは日本の新人、橘実里。彩のキャラクター設定が少々物足りないのが残念だけれど、演じる彼女はとても魅力的。目と唇が印象的だ。彼女の方はイ・ジョンジェと違って無表情な時が多い。表情豊かに演じるような役ではないけれど、役にもっと深さがあれば面白かったのにと思ってしまう。良い演技してたと思うので尚更。
ウィンが憧れる赤毛のミアは、韓国の新人キム・ミニ。クールでミステリアスな役を好演してました。
◆シュリ（韓国）◆
やっぱ良い映画だわ！去年映画祭で観たのに、もう一度観てもやっぱり切なくて、哀しくなっちゃう。前回はハン・ソッキュを中心に観ていたからか、それ程の悲哀感を持たなかったけど（それでもハン・ソッキュの痛みはイヤと言うほど感じたけど）、北を中心に観ていると切なさは倍増しますね。チェ・ミンシク演じるパク・ムヨンの心情とか、イ・バンヒの“想い”は本当に哀しくて重いです。チェ・ミンシクが重厚感ある演技で光りますね。素晴らしい。
２時間てんこ盛りの内容で息付くヒマも無いけれど、そのテンションは最後まで落ちないし、ラストに向かって高まっていく感触は「映画館で映画を観てるんだ！」という満足感があります。これは絶対に映画館で体験すべき映画。是非、劇場で観ることをお勧めします。それもドルビーサウンドの所で！
◆ショコラ（アメリカ）◆
チョコレートを見せながらキリッとした印象残す映画なのかと思って見に行ったのですが、結構甘めな印象が残りました。ちょっと考えすぎだったかな。でも物語はしっかりしてるし、監督の素敵な映画世界に浸れる作品。
ジュリエット・ビノシュにはもっと神秘的な雰囲気出して欲しかったけど、ふんわりとした優しげな中に強さも併せ持ってる主人公を見せてくれる。でももっと魅力的に見せられる役じゃないかなと。う〜ん、ちょっと勿体ない気もする。上手いと言えばやっぱりジュディ・デンチさん。気難しいけど可愛くて、孫と話す所が楽しげで、キリッとしたお婆ちゃん。周りを消さないけどガッチリした印象を残す所は流石。その演技はほれぼれしますな。対する娘役のキャリー・アン・モス。こういう時代がかった衣装も可愛い(^^)。ジョニー・デップはもっとゲスト出演的なのかと思ったけど、結構出演シーン多かった。風来坊な役は似合うし、根無し草っぽ雰囲気も出してて良かったです。しかし格好いいなあ、やっぱり。。。
観終わってチョコレートが食べたくなるかなと思いきや、チョコ見すぎてお腹一杯になってしまいました(^^;;
。キャラメルポップコーン食べ過ぎって気もするけど(笑)。しかし美味しそうでしたな。役者さん達も美味しそうに食べるんだもの。
◆シレンティウム（オーストリア）◆
東京国際映画祭’05
オーストリアで大ヒットしたという映画。カトリック教会への皮肉たっぷりな作品。そこが面白いのだろうけれど、イマイチ笑いのツボが分からなかった(汗)。ティーチインによると、ヨーロッパでは笑いの渦だったらしい。。。主人公が妄想するところは確かに楽しいけれど爆笑するほどではなかったし、アホやなあってことをする所でも笑えるほどではなかった。うーん、コメディというジャンルの映画ではないと思うのだけれど…。巻き込まれ型主人公のドタバタ劇って感じ。これが演劇だったら笑えるのかもしれない。
◆真珠の耳飾りの少女（イギリス）◆
映像がとても綺麗で素敵。観ている間はフェルメールの時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれるので、それだけでもとても好きな作品です。映画のリズムもとてもゆったりしていて、その世界に浸れるのが心地良い。映画自体がフェルメール作品とリンクしているような感じで不思議な感じでした。
フェルメールを演じるのはコリン・ファース。神経質そうで暗〜い感じが、綿密に計算して作品を描くフェルメールの繊細さを醸し出していて良かったです。スカーレット・ヨハンソンは十代とは思えない官能的な雰囲気の出し方が上手い。ウィルキンソンさんのイヤらしいパトロンっぷりがステキだ♪
◆スコア（アメリカ）◆
金庫破りのプロ、ニック（ロバート・デ・ニーロ）。一仕事終え家に戻った後、パートナーのマックス（マーロン・ブランド）から大きな仕事を持ちかけられる。手引きをするのは面識のないジャック（エドワード・ノートン）という若者。手堅い仕事を心がけていたニックだが…。
とてもオーソドックスな、非常に手堅い印象を受ける映画。手堅すぎて、流れがきれいすぎて面白味がないという思いが少々残りますが、全体の雰囲気は結構好きかも。彼らの仕事ぶりは泥臭いのに、画面から受ける印象はとてもスマートなもの。スピード感とかガチャガチャしたものを全て排除して、じっくり、ガッチリ見せていく。なるほど、だから芝居を見せられる俳優が必要だったんだなと納得させられます。
が、、、ブランド、デ・ニーロ、ノートンが揃えば何か爆発があるのではと観る方は思ってしまう。でもこの映画はそんなぶつかりもなくサラッと過ごしてしまうのです(泣)。歯がゆいというか惜しいというか、もっと何かあっても…。この辺りの関係を緊密に、もう少し描き込めばもっと良い映画になったんじゃないかなと思うと勿体ない。特にデ・ニーロとノートンが伸び伸び芝居してるのを観ていると余計にそう思ってしまう。しかしエドノー、走ってると折れそうだf^^;。痩せてるというより細っこい、、、。
◆スターウォーズ エピソード１（アメリカ）◆
ようやく『スターウォーズ エピソード１』を観てきました。７月に行った人に「案外空いてた…」なんて言われてちょっと焦っていたのですが、行ってみると立ち見が出てました。ギリギリに行ったので別の意味で焦っちゃったf^^;。立ち見は避けたいもんなあ、この歳になると（あはは…）。
いやー、やっぱり最初にあのテーマ曲を聴くと震えちゃいますね。去年の特別編でもカンドーって思ったけど、同じくらい感激！
映画は、、、予想以上にユアンが可愛いくって、もうデレデレしちゃいました(^_^;;。次のエピソードではもっと活躍の場が増えると思うんで楽しみです(^^)。師として失敗だったんですかねえ。。。今回は殆どアナキンとの絡みがなかったけれど、今後アナキンとの間に何があるのかとっても興味あります。そしてアナキンはあまりに可愛くて、ダースベイダーを想像することは難しかったけど、次の２と３でどう変わっていくかが楽しみ。
脚本が弱いと言われていますが、今回のエピソードはそれもやむを得ないと割り切った方がいいかも。役の深みという点では、今回は登場人物の人間関係とか位置関係を明確にしただけでなかなか見えてこないのだけれど、そこは旧三部作というものがあるのが強いですね。彼らの行く末を我々は知っているっていうのは。
残念だったのはダースモールでしょう。すっごく身が軽くて重力を感じさせないような立ち回りをします。ちょっと感激です。でもやっぱりもっと観たかったなあ(T_T)
。そしてもっと強い敵が欲しかったりして(^-^;;。ユアンもリアム・ニーソンも頑張ってたんだけど、ちょっと力の差が大きすぎるのが見えちゃうんで。でもユアンは形が綺麗。今更無理な注文だけど、ダースモールとリー・リンチェイを戦わせてみたかった、、、。
◆スターウォーズ エピソード２〜クローンの攻撃（アメリカ）◆
エピソード１の時のもたもた感が、随分と解消された今回のエピソード２。CGを思いっきり使っている分、画面が機械的に感じるところはあるけれど、それでもラストの畳み掛けるようなアクション場面は迫力満点。反面、やっぱり人物描写はそれ程上手く描いているわけではなくて、ぐっと深く入っていくかと思うとサラっと通り過ぎられちゃって少々拍子抜けしてしまうけれど、旧三部作に続いていくキャラクターに関しては、やはり“その後”を知っているだけに、何もなくても、ただ佇んでいるだけでもそこに意味を感じてしまって逆に想像力を刺激されます。確か予告にもあったアナキンが朝焼けの元、後姿で立っているだけの姿なんて、演じるヘイデンくんが驚くほど強烈な後姿演技をしている訳ではないのに、そこにはやっぱり表情がある。旧三部作の謎やこう繋がっていくのかーという部分があって、ファンには楽しい作品になってます。旧作を観てからこの映画を観ると、楽しさ倍増するのは間違いないでしょう。
噂のヘイデン・クリステンセンくんは、無難にそつなくアナキン役をこなしてると思います。アナキンの持つ負の雰囲気を、演技力以前に自分の中に持っているというのは大きいかもしれない。健康的な中に不健康さがあるというか、それが小生意気なガキというだけに終わってないのは大きな魅力かもしれない。キャラクターには十分深みがありながら、あまり芝居をさせてもらってないのは残念だけれど、こういう雰囲気というのは必要不可欠なものだったのでしょう。
プライドと傲慢さと正義感、そして残忍さと懺悔の念。不安定要素を多く抱え込んだ青年期のアナキンを十二分に表現しているかと言えば、きっとまだまだなのだろうけれど、その根底にあるものは十分に感じさせてくれる。このアナキンがどうやって暗黒面に堕ちていくのかが次のエピソード３の最大の見所なので、上手くその部分を引き出せる脚本にして欲しいです。彼なら十分演じきれると思う！
エピソード１では、可愛かったけどあまり活躍しなくてちょっと残念だったユアン＝オビ・ワン。今回は大活躍。アナキンとの掛け合いにとぼけたところがあったりして、出番も多くて全編に渡って格好いいです。次は師として苦悩するユアンが観たい。でもそんな場面作ってくれなそうだけど…。次回は人を描いて欲しいぞ〜＞ルーカス。シリーズ初の恋愛映画という謳い文句があったけれど、ハン・ソロとレイアの「I
love you」「I know」の方が全然いい。
◆ステルス（アメリカ）◆
いやー、アメリカ空軍のプロモーションビデオかと思った(^^;;。いや、半分本気でそうかも(汗)。人工知能を持ったステルスと人間の戦いで２時間は長いな〜と思っていたのですが、前後にドラマがついてました。あんま内容ないけど…。でもジョシュ・ルーカスは格好良かったです♪ジョシュ目当てで観に行ったので、その点だけは完璧でした。キャラ薄々だけどな(涙)。まあその方がいいかも＞おひ。『ワンダーランド』でのキレキレ演技もいいけど、こういうスマートな役もいいです。直ぐに飽きそうだが＞おひ。
ジョシュも良かったけれど、私の中での主役は天才科学者役のロクシーことリチャード・ロクスバーグでした＼(^^)／。メガネの奥できら〜んと光る目がステキ。でも実は出てるの知らなかった(爆)。出番の少ない中でも印象的で良かったです。ちょっと太った？イタリア娘と上手くいってるってことかしら〜(笑)。サム・シェパードはもっと幅が欲しかったな。この手の映画ではそれは必要無いか(^^;;。
しかし、、、あの派手な爆破では巻き添えくった人いると思うぞ。
◆ストーカー（アメリカ）◆
微妙な映画。画面から受ける雰囲気と演出が合ってない気がする。あの凍ったような画面ならもう少し引いて客観的に撮ったほうが良かったと思うのだけれど。ロビン・ウィリアムズふぁんとしては楽しかったけど、主人公の深層心理にもっとズンズン深く切り込んでいって欲しかった。でもそれだと客観的になれないか…。
◆スナッチ（イギリス）◆
『ロック、ストック〜』のガイ・リッチー監督第２作。前作同様、大勢の登場人物をキッチリ描き分けて複雑なストーリーをまとめあげていく手腕は流石。ただ『ロック、ストック〜』第２章って雰囲気ありありなんですよね。アレンジちょっと変えた映画って感じで。それでも面白いことに変わりはないんだけど。やっぱりこういう映画好きなんだなあ。
小気味あるセリフの楽しさとか、小道具の使い方なんかもとっても可愛い(^-^)
。ニューヨークに住んでるデニス・ファリーナ演じるボスの、“Ｉ
ＬＯＶＥ ＮＹマグ”が何故かツボでした(^^;;
。ジェイソン・ステイサムの着る上着もトラッドしてて素敵。やっぱり似合いますな、こういう衣裳。流石に着こなしキレイだし。
前作より更に多い登場人物をまたまた上手く使い切ってて、１００分強突っ走るそのスピード感は凄いです。凄すぎて、瞬きすると置いていかれそう(^^;;
。ごちゃごちゃになる寸前の映画。それを混乱させないのは、きっちり練り上げたストーリーと個性溢れまくりのキャラ。面構えが不敵なヤツばっか出てくる(^^;;
。やっぱビニー・ジョーンズいいわあ。黒の衣裳がまた似合う！格好良すぎますです＼(^^)／。あとベニチオがせくしぃ〜(^o^)
。
それにしても、ガイ・リッチー監督の次回作はどこに向かって行くのか。この路線で新味を出すのは難しい気もするけど、それだけに何か「おお〜！」ってのを期待してしまう。『ロック、ストック〜』を最初に観た時のような、ガツンとくる映画をまた観たい。
◆スパイチーム（香港）◆
『OVER SUMMER』、『ジュリエット・イン・ラブ』を撮ったウィルソン・イップ監督とは思えないような、あまりに淡泊な人物描写。ってゆーか人物描写がないかも(^^;;。前２作とン・ジャンユーさんを愛する物としては、やっぱりフラ（＝ジャンユーさん）がいないとダメなのか？とか思ったりして。きっと監督の思い通りに映画作れなかったんだろな……とでも思わないと納得出来んf^^;。
原題は『神偸次世代』。これは金城武主演の『ダウンタウン・シャドー（原題：神偸諜影）』の続編。前作を観ていないからなのか、いきなり冒頭からさっぱり分からなかった(涙)。これ、字幕なしで観たら最初から置いて行かれただろうなf^^;。ストーリーの前後関係がイマイチ分からん、、、というのは香港映画を観ているとよくあるので(笑)、ま、いっかとそのまま観ていると、何となく、ぼーんやり分かってきたりするのは修行の成果なのだろうか(爆)。
金城武から主演を引き継いだのは、まい・らぶり〜・黎明(*^^*)。キャラクター自体も引き継いでいるのかは前作を観ていないのでよく分からないのですが、このマックという役柄、全然り〜よんに似合ってません〜(号泣)。妙なアクションも、格好良く撮ってるんだろうけど格好悪い(涙)。微妙な格好悪さがり〜よんの魅力の一つではあるけど、幾ら何でも…泣ける。というか笑ったf^^;。ま、り〜よんなので許せるけど(^^;;。
黎明演じるマックの片腕とも親友とも言える役の小春。相変わらずアベレージヒットしますね、小春は。しかも格好良いんだよなあ（しみじみ羨ましいf^^;）。飄々としてスパッとアクションするとこなんて、観ててスカッとするし小春にしっくりくる。黎明を陰から支える役ながら、自分のキャラクターもちゃんと確立してて、役者としてこなせる仕事をキッチリこなしてるって感じ。小春はどの映画を観ても小春なんだけど、ちゃんとその映画のキャラクターに合った演技出来るってのは大きな強みですね。その点ではサム・リーも似たようなスタンスなのかも。こういう役者はやっぱり貴重だ。
◆スパイ・バウンド（フランス）◆
ヴァンサン強化月間にようになってるf^^;。でも今回の主役はブリュノ・トデスキーニさんよっ♪冒頭に出てきてから暫く消えたときは、シャルル・ベルリング状態(号泣)だったらどーしよう（つーか、それより悪い(汗)）と不安になりましたが、途中から大活躍(？)。しかし不敵なデルピーってのは新鮮でございましたf^^;。物語はスパイ物の割にはあまりドキドキしたかったのが残念でしたが、もっとベルッチを活躍させれば面白かったのかもしれない。ヴァンサンとのバランスを考えすぎてる気がして勿体なかった。
◆スリー・タイムズ（台湾）◆
東京フィルメックス'05
1966年（「恋愛の夢」）の若々しい二人の恋の始まり、1911年（「自由の夢」）の植民地からの解放を願う文人と外の世界で自由に生きることを願う芸妓、2005年（「青春の夢」）のバイセクシャルの女性とガールフレンド、写真家の三角関係。３つの時代のエピソードを、同じ俳優で撮った作品。最近のホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作品の中では一番好きかも。
予備知識なしで観に行ったので、２つ目のエピソードに移った時、ちょっと混乱してしまいました。。。１つ目のエピでめちゃくちゃ初々しかった２人がいきなり弁髪の文人＆芸妓になっていたので(汗)。暫くして全然違う人物なのねって気が付いた。遅すぎ…(涙)。この２つ目のエピソードがサイレントだったのですが、ティーチ・インでその経緯を聞いてちょっと笑ってしまいました。２人が古い台湾語を話せなかったからって、、、(笑)。まあそれだけが理由ではないでしょうが。でもお陰で趣のある画面になってました。そしてこのエピが一番好き。何度か現れる、部屋の奥から表方向を映した映像が写真のように美しくてとてもステキでした。近いのに遠い外の世界。芸妓の想いがこの画面に集約されているような気がします。何とも侯孝賢らしい画面。
スー・チー(舒淇)はこの世代では突出して演技が上手いというのを再確認。色っぽかったり、あどけなかったり、表情の作り方が絶妙です。チャン・チェン(張震)は姿が美しかったです。でもそのうちハ○そうな頭がちょっと怖い(^^;;
。ナニゲにジュード・ロウ状態f^^;。
冒頭、クー・ユールン(柯宇倫)が出ていて、思わず「をを！！！！！」となりました(^^;;
。ちょっとしか出てなかったので違う子かなあと不安になったのですが、クレジットに特別出演という形で載ってました。ティーチインによると、チャン・チェンの友達だからチラッと出ただけらしい。久々だったのでもっと観たかったな(涙)。
◆スリーピー・ホロウ（アメリカ）◆
何だかジョニー・デップ強化月間のようになってるf^^;。いや、こちらのデップは良いです。『ノイズ』より断然好き(^^)。本人も楽しそうに演じてるし。やっぱりこういうちょっと世離れしたキャラを演らせるとピカイチなものがありますね。役作りも楽しかったんじゃないかなあ。あのおトボケぶりも可愛い(^^)。
ティム・バートン作品ってそんなに沢山観てないんですが、この作品には独特の哀感みたいなものがなかったですね。それ程マニアックに走らず、その分エンターテイメントを重視したような感じ。ゴシック調の映像が醸し出す雰囲気を観るだけでも楽しいです(^^)。んでも、首を落とすところが妙にリアルで薄目でしか観られなかった(･_･;)。そして一筋縄ではいかなそうな村の名士達！いやあ、みんな怪しいわf^^;。そして存在感たっぷりに演じるクリスティーナ・リッチ！こういう役もこなしますなあ。ホント目が離せない女優だわ。
◆青春愛人事件（中国）◆
第17回東京国際映画祭のアジアの風部門の作品。
あんなことや、こんなことをしてくれるリウ・イエくんを堪能できる映画(^_^;;。やっぱり可愛いよねえ。一家に一台って感じf^^;。映画はラブ・コメあり、ミステリーあり、バイオレンス(？)ありとてんこ盛り。でもどれもサラリと描かれるので、ごちゃごちゃとした感じはない。サラリとし過ぎかもと思わなくもないけれど、舞台となる北京の街の混沌としたパワーと対比して丁度いいのかも。しかしオチは凄い(汗)。
◆聖なる嘘つき：その名はジェイコブ（アメリカ）◆
ロビン・ウィリアムズさん入魂の１作。ゲットーを舞台にした作品だけれど、その日常を淡々と追っているので号泣するような悲壮感はないです。明るいとまでは言わないけれど、ほんわかとしたユーモアを感じ取れる。でもその生き様はじわじわと哀しいです。「諦めずに頑張れ！」と軽々しくは言えない姿がそこにはありますね。
ウィリアムズさんはすごーく押さえめな演技。とても優しげにジェイコブを演じているので、画面に映るとなんとなく和む気がします。心ならず面倒を見ることになった女の子とのシーンは本当にほのぼのしちゃう。でもあ〜んな哀しげな笑顔を見せられると、ズッキーンとしちゃいますわ(T_T)
。
脇にも一癖あるキャラクターを沢山出てくるので、アンサンブルとして観ていて楽しいです。医者を演じたアーミン・ミューラー・スタールの飄々とした味わい深さ、ジェイコブと腐れ縁（？）の散髪屋さんを哀しくもおかしいキャラクターとして見せるボブ・バラバン。そして話しを複雑にしちゃうリーヴ・シュレイバーも軽妙で楽しくて、でも根はいい人なんだなあと思わせる役を好演してます。
◆世界でいちばん不運で幸せな私（フランス）◆
可愛い話しだけどとっても過激(^^;;
。かなり過激(^_^;;。周りから見てるとどうみてもラブラブな二人。でも本人達だけがそれを否定している。もし幼なじみじゃなければ、自然にカップルになってそう。マリオン・コティヤールが好きだけど素直になれない女の子を上手に演じてる。眼がいい。
まい・らぶり〜・ギョーム(#^^#)はむちゃくちゃ可愛い〜(*^^*)。学生時代は若々しくて無謀さもあって、まだまだこういう役も似合うわ〜と思わせる。でも年を重ねた後のギョームがとてもいい。安定している自分に嫌気がさしてしまう所と、「これが自分だ！」とばかりに車をかっ飛ばして（超無謀運転…）エネルギッシュな所を見せるギャップの鮮やかさ。爽やかにギラギラしてるギョームがやっぱり好きだ〜(*^^*)。
◆センターステージ（アメリカ）◆
舞台演出家ニコラス・ハイトナーが描くバックステージものってことで期待大だったのですが、思いっきった青春映画でビックリ(^^;;
。もっと捻ってあるのかと思ってたのに…。脚本がイマイチというかイマジュウくらい(^^;;
。キャラクターが全然語られてないんですよねえ。全員が表面的ってのが痛い。せめて主役だけでも、、、。途中からはこれはダンス映画なんだと思って観てしまいました。そう思うと踊るシーンはふんだんにあるので楽しめるかなと。ABTのイーサン・スティーフェルを映像で観られたというのはちょっと嬉しかったかも。しかし、、、キャラ薄々(泣)。
そう言えば、バレエシューズを馴染ませるところをあそこまで延々映す必要あったのでしょうか(^^;;
。何かの伏線なのかと思って最後まで後引いちゃいましたよ。全然関係無かったけどf^^;。ハイトナー、、、暫く舞台に専念した方がいいのでわ。。。それでなくても忙しい身なのに。
◆千と千尋の神隠し（日本）◆
宮崎駿監督久々の作品。とっても好きな映画だけど、肩に力が入ってたように感じてしまった『もののけ姫』とは違って（観てる私も肩に力入ってたかも(^^;;
）、いい感じでフッと力が抜けたような作品に仕上がってます。画面の端々に楽しさが一杯散らばってる(^_^)。
千尋というちょっと憂鬱さを持った女の子を主人公にして、私達を不思議な町に迷い込ませてくれます。この千尋という少女が本当に普通。観ていてとても分かり易くてなんだか安心してしまう女の子なのです。容易に感情移入できてしまうというか、「そうそう、分かるよその気持ち」という場面が沢山ある。両親を豚にされて、それでも不思議な町に慣れてきた千尋が「お父さん、デブになっちゃったらヤだな」なんて言うセリフ。そんなバヤイではないやろってのと同時に、でもその気持ち分かるわって思ったりして(^^;;
。そんな千尋は宮崎アニメのヒロインらしからぬヒロインなんだけど、でも見終わるとちょっと納得してしまうかも知れない。。。千尋であり千でもあるこの少女の未来を観てみたいなと。
千尋を助ける男の子はやっぱり良いです(^^)。ハク、、、可愛い格好いいー。強い所も弱い所も持ってる所もかなりツボ(^^;;
。でも今回はいつもみたいに巻き込まれてるって感じはあんまりないですね。普通っぽいけど普通じゃない男の子だし、何となく透明感があって不思議な感じのする少年です。
脇役は相変わらずとっても個性的(^^)。どのキャラクターも愛敬があって魅力に溢れてて、そして芸がまた細かくて楽しいです。あのランプもエエ感じ(^^;;
。
画面はとても細かくて綺麗で、そして力強い。背景とか凄く丁寧でステキです。舞台となる町が日本の昔の家のようなものとか、中国的なもの、韓国的なものなどが混じり合ってて不思議な感じ。色彩が鮮やかで目に楽しいです。
宮崎監督らしい浮遊感、疾走感、不思議さ、怖さ、優しさ等々色んなものが詰まってるこの作品。結末の呆気ない程の普通っぽさや（でも冒険って終わりはそんなものかなとも思う）、いつかどこかで観たことのあるキャラクターから食い足りなさも少々残るけれど、ストーリーの淀みない流れの巧みさや各キャラクターをあれだけ魅力的に描くこの作品は、やっぱり一級の映画なのだと思う。
◆ソードフィッシュ（アメリカ）◆
「アメリカ映画にはリアリティがない」とトラボルタに言わせる冒頭から、マトリックスな爆破シーン。そこからの１時間４０分ガーッと勢いでみせられて、力技で押さえ込まれたみたいな映画f^^;。でも嫌いじゃないかも(^^;;
。格好良い場面も一杯あるし、カーチェイスや撃ち合いも迫力ある。でもいまいちよく分からない所があったり、そういうのあり？なんて思うところもあって、頭の中が混乱しながら最後まで観切ったという感じ。トラボルタの冒頭の言葉をそのまま映画にしたような、一種確信犯的な所も面白い。
狂言回し的な役割のヒュー・ジャックマン演じる天才ハッカーの背景はサラリと描くけれど、悪役ジョン・トラボルタを含めたキャラクターの背景描写は最小限。というか殆ど無い。でも画面がハデハデ濃ゆ濃ゆで、現在進行形のキャラクターも濃いのであまり気にならなかったです。下手にトラボルタとその仲間達の過去とか周辺を描くと逆につまらなかったかも。
この映画を観た最大の要因は、この映画のヒュー・ジャックマンがテニス選手のまい・らぶり〜・フェレーロ（ファン・カルロス）に似ているという情報を得たからだったのですが(^^;;
、確かに似てました。特に前半の無精ひげがある所。それからはヒューが出てくるたびに、射るように画面を観る怪しい女がおりました＞おひf^^;。次回作も期待だ。無精ひげのある役をよろしく
(笑)。『X-men』のウルヴァリン状態だとダメっすけどf^^;。
◆ソン・フレール／兄との約束（フランス）◆
長らく疎遠になってしまった兄弟。弟のアパートに突然兄がやってくる。自分は血液の病気でそれが再発し、また入院することになったと言う。そして弟に付き添ってほしいと懇願する。突然のことに戸惑う弟。混乱しながら兄の付き添いをすることで、兄弟の間にあったわだかまりが少しずつ溶けていく。
向き合って話しをすることがなくなってしまった兄弟の溝が少しずつ埋まっていく様を、兄の病気が悪化していく様子と相反して描いていく。こんなにもリアルなのに、何て美しい映画なのだろうか。パトリス・シェロー監督の手腕に脱帽です。観て、感じて、匂いまで感じさせてくれる作品。五感をこんなにも刺激される映画は久しぶりに観ました。しかし地味と言えば、思いっきり地味な映画なので、ダメな人はダメかもしれない。その辺りもパトリス・シェローらしいのかもしれないが。
この映画は兄が入院する病院のシーンと、その後、療養に行くブルターニュの海岸のシーンが交錯して描かれます。パンフを読むと原作もそうなっているようなのですが、病院内の無機質で事務的な空気と、陽射しのある海岸。それが兄弟の心の動きともシンクロしているのですが、まったく混乱させずにこの２つの場面を交錯させる上手さに唸りました。色味を落とした海岸の美しさが印象的です。
ブリュノ・トデスキーニさんは絶望の縁にいる病人の現実を哀しいまでにリアルに演じていて、観ているこちらまで心が痛くなってきます(涙)。朽ち果てていく肉体を晒す病院でのシーンは特に衝撃的。すがるように弟の元を訪れ、自分の看病をしてくれと懇願する兄。精神的にも肉体的にも限界に来たとき求めたのは、恋人ではなく弟だった。トデスキーニさんは、兄の威厳を保とうとしながらも弟にすがっていく姿をリアルに丁寧に見せてくれます。ここにあるのは友達のような兄弟ではなく、まさしく血を分けた兄弟なのだと感じさせてくれる。
弟を演じるエリック・カラヴァカも自然で巧みな演技を見せてくれます。病院のシーンではカメラは弟の視線で兄を観ているので、彼の心の痛みもよく分かる。弟が兄と同じようにベッドに横たわるという幻影を見るシーンは、兄の精神的、肉体的な痛みを分かち合うかのようで感動的です。最後にイスを片づけながら海を見つめる弟の表情は、兄弟として再び心を通いあわせたような穏やかなラストでした。